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第158回 桜の思いで

桜の思いで

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 曽根廣雄(故人)=片山津温泉出身=

 

もう六十年以上も前の事になります。私達は四月の始めに四年生から六年生迄、合同の遠足に出かけました。

鈍行列車が止まる。(動く橋)と書いて(いぶりばし)と読む、歩いて二時間程で行ける隣町の動橋です。

昔この街の中央の動橋川に、人が渡るとユラユラと揺れる橋が掛っていました。この土地の方言で揺れる事をいぶると、言ったことからこの街を動橋とよぶようになったそうです。

その動橋川の土手にずらっと何百本も並んで咲く桜の花見に行くのが目的でした。

 

然し、あのころは粗末なひどい砂利道で、車が通る度に凄い砂ぼこりを舞い上げるので、

皆その度に身体をちじめ、目をつぶり、口を押さえたりしました。

大きなトラックやバスが通る時には、しばらくの間、一寸先も見えない程の砂ぼこりでした。それはもう大変な思いをして進んだものでした。

片道二時間ほどいうものの、とても長く、長く感じたものです。それにどっちを向いても、田んぼと川ばかりで、唯一心を和ませてくれたのは、遠く右手の方に見える白山連峰の美しい景色だけでした。

 

二百人近い生徒達が、二列に並んでぞろぞろと、大変な思いで目的の土手に着いたのは十一時頃でした。

そこで咲き誇っていた桜の見事な事、辛く苦しかった砂ぼこりの事を、すっかり忘れさせてくれる程の美しさに驚いてしまったのです。

桜と言えば、毎日遊んでいる薬師寺広場の廻りの、天に向かって真っすぐ伸びている山桜しか知らない私は、まるで違う風景にもうビックリしてしまいました。

 

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スケッチ:曽根 廣雄著 「捨て猫シロと少年の物語より」

           ~自宅裏山の薬師山から柴山潟と桜並木の風景~

 

そこの桜は、どの木も上に向いているのではなく、横に広がり、少し捻じれながら伸びているのです。

根っ子は土の上に盛り上がり、絡みあっていました。

花も山桜の白い花とは違い、ほどよく綺麗なピンク色で何とも美しいのです。大きな木に咲く白い清らかな山桜も好きでしたが、この芸術的な枝に、びっしり咲いている桜も、味があり絵になっていて、いくら見ていても飽きない私でした。

 

お婆ちゃんが握ってくれたおにぎりを食べながら、(この桜はいいいなー)と見とれていました。桜と言ってもこんなに違うのだと感心し、ゆっくり眺めようと思っていましたら、

「帰るぞー」と先生の号令です。

 

又あの砂利道を帰るのかと思うと、考えただけでも嫌でした。私は嫌な、嫌な気持ちで歩き出しました。

 

来る時は四年生が先頭、帰りは反対に四年生は後ろ、私は背が高かったので一番後ろでした。それを良いことに時々列を離れて、虫を捕まえたり、田んぼの狭い溝を覗いて小魚を追いかけたり、カエルと遊んだりしながら少し遅れてついて行きました。

丁度半分程来た所に通称(猫橋)と呼ばれている大きな橋があります。この橋のたもとには、何時も猫が捨てられていたそうです。

猫好きの人が連れて帰った処、とても良くネズミを取るので、嬉しくて近所に自慢して歩きました。その話が大評判になり、猫が欲しい人は捨てられた猫を品定めに行き何時の間にか(猫橋)と呼ばれる様になったそうです。

 

その橋を過ぎた頃、温泉街の方から大きなトラックが何台も    EPSON MFP image

連なって来て、次々と凄い砂ぼこりを舞い上げながら通り過ぎて行きました。

ちょっと静かになった様に思ったので私は、(もうトラックは来ないだろう)と勝手に思いその頃流行っていた、忍者映画を真似して、指を三本立てて「ドロン・ドロン」と言いながら何も見えない道の真ん中に入って行きました。

然し、最後のトラックが、静かに砂ぼこりの中私に近づいてきたのです。

 

その事に気づいた何人かの女生徒達が、「キャアー」と叫んだのです。その声に驚いた運転手さんが、砂ぼこりの中にかすかに見えた私に気づき急ブレーキをかけました。

私も気づいて急いで道の端に滑り込んだのですが、あと一歩遅かった!

何とも言えない痛みが足の先から全身に走り抜け。体中がカカーツと熱くなり、失禁してしまい、何が何やら解らない事を叫んでいた様です。運転手さんと女先生が、一番近い動橋の病院に急いだのです。

 

幸い私は、左足の指五本の骨折ですみましたが、もしも、あの時女生徒達が、「キャアー」と叫んでくれなかったら、間違いなく私は、この世には居なかったでしょう。

 

毎年桜の季節になると、この事故の事を思い出し、深く反省している私です。

と同時にみなさんのお蔭で命を助けて頂いた事に深い感謝の気持ちで一杯になりました。

 

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 I Love加賀ネット 柴山潟〝桜〟周回廊プロジェクト植樹記念  

(植樹者:曽根廣雄氏)

桜は御神木と言われています。きっとあの時も桜が守ってくれたのだと信じています。    日本は桜の国です。皆、桜が大好きだと思います。私も桜は大好きです。          三分咲の桜には、ほのぼのとした優しさが、爛漫と咲き誇る桜の見事さ、豪華さ…

やはり桜は美しいです。

   何故か私はこの頃は、少年の頃見た天にまっすぐ伸びて

  いる桜より、何本もの細い枝が滝の様に長く垂れ下が り、

  風に吹かれゆらゆらと静かに揺れている、枝垂れ桜が好き

           になりました。

  ~ 曽根 廣雄 遺作集より~

20154(26)11.22逝去 享年75歳

 

第157回 北陸新幹線の金沢開業

金沢は「おもてなしの心」を大切にする街

         西多敏晴さん⓪

西多 敏晴さん(65) =金沢市在住=

 

平成27年3月14日、ようやく北陸新幹線が金沢まで開通した。冒頭から情けない話だが私が生きている間には大阪まで通じるとは思わない。明治5年に新橋‐横浜間の鉄道が開通、明治22年に東海道線が完成し、東京‐大阪間が繋がった。大阪‐金沢間が開通したのは明治34年の事である。これが裏日本と言われた由縁だと思う。

東海道沿線都市の静岡や愛知県などは、東京や大阪に若者が流れるから鉄道開通が反対と言ったであろうか。私は大都市と繋がることで地方都市が活性化すると思っているし、また活性するように努力するべきだと思う。マイナス面ばかりを考えないでプラス思考に考え、乗客をその地に降りるような施策を考えればよいと思う。

 

北陸新幹線

 北陸新幹線車両【撮影/山崎英樹氏(加賀市塩浜町在住)】

 

金沢に新幹線が開通し大きく変わったのが金沢市民の「おもてなしの心」である。開業前から、新聞や各メディアがこぞって訪れる観光客を取り込む方策を記事にした。金沢フアンから石川フアン、またまた北陸フアンに広げるため、自分たちの持っている観光資源を再発見し、一度来県した観光客を二度、三度といたるところにリピートしてもらうために何をすればよいかを考えさせた。また新しい事業主も金沢店を開業させた。

 

先日、新幹線が開通したあとに目にしたことで、とても感心したことがあった。金沢市内狭い道で二人連れの観光客が地図を見ながら目的地を探していたときに、向側から走ってきたタクシーが観光客の手前で停止し、通り過ぎるまで止まっていた事である。

私は当然タクシーがクラクションを鳴らし、道幅を大きくはみ出していた観光客に警告すると思っていた。タクシーの運転手はじっと観光客が通り過ぎるまで待っていた事である。

あぁ、これが「おもてなしの心」の一つ、私も見習わなければと思った。二人連れはタクシーの配慮に気が付かなく通り過ぎたがそれでよいと思う。この二人連れの観光客は楽しい観光が出来たと思う。

 

金沢駅前や近江町市場、金沢城公園、兼六園などは大変にぎわっている、新幹線客だけでなく、京都、関西方面から車で来られる観光客の多さにも大いに驚かされた。街には観光客があふれている、しかし片町、香林坊の夜は静かだそうだ。夜の目玉が無いからだろう。兼六園や金沢城公園はライトアップされ夜の賑わいがあるが、繁華街のショッピング街は午後7時で閉店してしまうから、せっかくの観光客を逃してしまっている。この辺を行政と経済界の連携が必要と思う。早く対処しない事にはリピーターは来ない。

 

京都は四季、昼夜それぞれに風情がある、いや、そのように思わせている。福岡もまたしかり。金沢は兼六園があり東・西の廓がある、戦災の被害を受けていない貴重な観光資源がある。必ずやもっと多くの観光客を集めることができるはずだと思う。今後が楽しみだ。

*     *     *     *     *

 

北陸新幹線金沢開業で「やさしいおもてなし」を

 

構想から50年、2015年3月14日にようやく待望の北陸新幹線が金沢までやってきました。大阪までの全線開通まで道のりは決して平坦ではないが、石川の人間としては大きな一歩と感じている。

日頃、静かな街が連日の新幹線関連報道でワクワク、ドキドキさせている。特に入口である金沢駅には人があふれていると言う報道が心躍らせているが、この沢山の観光客がこの後も続いてきてくれるだろうか。

 

また良い印象を持って二度、三度とリピートしてくれるだろうかと、余計な心配までしているくらいだ。いや他人事ではない、石川県人として、金沢市民として協力できることは行いたいと思う。かってないほど金沢に注目が集まっており、新幹線開業はふるさとの良さを再発見する良い機会である。当たり前だと思いってきた風景や産物が大きな観光資源であることに気が付いた。

 

観光客の動静を視たさに新幹線開業3週間目の土曜午後に近江町市場に行ってきた。想像通りの人ごみに嬉しさがこみ上げる。午後3時だと言うのに鮨屋や立ち食い処の前は行列、人だかりいっぱい。食べるのを待つ観光客の表情を見るとディズニーランドやUSJで入場を待っている人の顔と一寸違うように見える。これから食べる旨い鮨や魚介類への期待感が顔から感じ取れる。美味しいものをたくさん食べていって欲しいと心から思った。

 

大阪までの開通は未定だが、近江町市場の駐車場には京都や関西方面の車が多く、新幹線効果の金沢開業が関東方面からの観光客だけでない事が分かった。

新しい街の魅力を私たちが再発見し、大切に保存し、改善して行くことが地域を元気にする、今回の開業でよくわかった。

 

 ようこそ金沢へ …     近江町市場内の賑わい       

         

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 2015年4月1日

記事・近江町市場写真/西多 敏晴

  ( I Love加賀ネット会員)

 




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