第101回 懐かしの昭和映画を観て

学術、文化、芸術、またはスポーツの振興を図る活動<定款より>

 

 

 大寒気団が日本列島を覆い、日本海側に雪を降らせ、太平洋側も真冬並みの寒さに

 なっている。重苦しく、厳しい寒さが本格化する。

 

 

     水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉     蕪村

     寄波の一夜どまりのやうすごほり  長谷川歌川女

 

 

ヤフー無料動画Gyaoを見ると、昭和映画が多くあり、懐かしくもあります。

特に、勝新太郎、田宮二郎の「悪名」シリーズ、勝新太郎、田村高廣の「兵隊やくざ」、勝新太郎「座頭市」シリーズと楽しむことができる。

 

「悪名」シリーズは原作 今 東光、「兵隊やくざ」原作 有馬頼義 「座頭市」の原作は子母沢寛。原作の骨格が確りしていることもあり、映画化することでも面白さが、勝新太郎のキャラクターで倍増していると思っている。

共通していることは、「弱者を助け、組織暴力に立ち向かう」というところにある。

座頭市は別として、頑健な体で武器を持たずに戦うところである。義理と人情もろく、不条理に立ち向かっていく庶民の心を掴んでいたのではないかと思う。

 

 シリーズ「悪名無敵」は1965年(47年前に)勝新太郎、田宮二郎、藤村志保、八千

 出演で片山津温泉でロケをしたものです。1965年9月に北陸鉄道片山津線が廃線と

 つ年です。

 

 

【写真 / 30年頃・北陸鉄道 片山津停車場⇒動橋へ出発した電車】

=図説 かたやまづの歴史より=

 

片山津-動橋線電車 (たまたまこの「悪名無敵」を観ていて、動橋駅が撮され、勝新がバスで片山津に向かっているシーンがありますが、この時既に電車は廃線となっていたわけです。

 

片山津温泉「あらや」で撮影したもので吃驚いたしました。(47年前といえば大学生の頃で片山津にはいなかったこともあり、全く知る由もありませんでした。)柴山潟にモーターボートが走り、柴山潟の風景が撮影されていました。

撮影シーンで、中学生の頃、友人や兄とキャッチボールなどをしていた路地が、喧嘩シーンで映し出されて、昔の我が家が一瞬撮されていたのには更に驚きました。何度も何度もそのシーンを見て、50年前のことを思い起こしておりました。人の記憶はこうしたシーンから蘇らせるのだと感じています。

 

 

 【写真/昭和30年代の片山津温泉 「柴山潟」 の情緒 ~屋形船・モーターボート~

~当時の観光案内より~

 

昭和の良き時代を描いており、希薄になった義理や人情を大切にしなければダメなん

 だと思わせる映画でした。

 

「兵隊やくざ」もそうですが、軍隊という組織に立ち向かう破天荒な人物像を描きながら、戦争や軍組織を否定したものであり、人間らしく生きるための根幹を問うものだと思っています。戦後20年、高度経済成長期の入口の、貧困と物資不足の時代から脱却し、明日の希望と、生きるために国民が一生懸命に生きてきた50年ではなかっただろうか。

 

 

 

2012年12月11日

NPO法人  I  Love加賀ネット

事務局長 東川 敏夫