第172回 「蕪村のこと」

学術、文化、芸術、またはスポーツの振興を図る活動 (定款より)

 

(探題実盛) 「名のれ 名のれ 雨しのはらの ほととぎす」  落日庵 名所小鏡 探題「さぐりだい」とも。詩歌の会で席上幾つか出された題の中から探りあ てた題を詠むこと。

「実盛」は斎藤別当実盛。『平家物語』七実盛最後参照。 実盛が手塚の太郎に討たれたここ篠原に、今雨が篠突くように降っている 時鳥よ、実盛の鎮魂のために一声鳴いてみてくれ。 謡曲の文句どり、明晰にこなした秀句。 ♢名のれ 名のれ「名のれ名のれとせがむれども終に名のらず、こえは坂東声にて候ひし」(謡曲「実盛」)。時鳥の鳴くことを「名のる」という例は古歌に多い。 ♢しのはら 加賀国篠原と「篠突く雨」と掛けている。 【新潮日本古典集成より 清水孝之 校注 】より

 

「蕪村」生誕300年 蕪村(1716~1783年)出生地とされる大阪市都島区毛馬に蕪村公園がある。 その蕪村公園には蕪村の名句13基の句碑が建立されている。 「春の海 終日のたり のたりかな」 「菜の花や 月は東に 日は西に」 「遅き日の つもりて遠き 昔かな」 「夏河を 越すうれしさよ 手に草履」 「閻王の 口や牡丹を 吐かんとす」 「夕風や 水青鷺の 脛をうつ」 「いな妻や 浪もてゆへる 秋津しま」 「鳥羽殿へ 五六騎いそぐ 野分かな」 「かなしさや 釣りの糸吹く 秋の風」 「楠の根を 静にぬらす しぐれかな」 「斧入れて 香におどろくや 冬木立」 「芭蕉去りて のちいまだ 年くれず」 「柳散り 清水涸れ 石処々」

 

なの花や 月は東に 日は西に

                                春の海終日のたりのたりかな

芭蕉去て そののちいまだ 年くれず

伊藤若冲と与謝蕪村は同い年生まれの天才。昨年(2015年)企画展が開催された。また、「俳人蕪村」展が昨年10月に天理大学図書館で開催された。そして天理大学図書館でまた新たに212句が発見された。天理大学図書館での関西大学藤田真一教授の「蕪村句稿の世界」受講し、蕪村の魅力に更に引き込まれていくことになった。

「蕪村俳句集」尾形 仂校注(岩波文庫)覚えてもすぐに忘れる。また覚えてすぐに忘れる、の繰り返しではあるが、一句一句を楽しむようにしている。ボロボロになるまで繰り返しておれば、何とかなるのではないかと。

 

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当会の歴史ウオークは篠原の合戦場が恒例のコースである。芭蕉の首洗池 「むざんやな 兜の下の きりぎりす」 芭蕉 今年からは 「名のれ 名のれ 雨しのはらの ほととぎす」蕪村 この蕪村の句も案内に入れてほしいと願うものです。

 

首洗池1P1060568

 

2016年2月10日

NPO法人  I  Love加賀ネット

事務局長 東川 敏夫