第58回 「油揚げ」

 つなげる――「柴山潟桜周回廊プロジェクト」―― つながる

 

 

夏場の冷酒の肴に油揚げ?

 

近所に油揚げを製造する会社がある。業務用の油揚げで、小売りをしている訳ではないが、その日のあまり分を午前中の短時間だけ棚に置いてあり、100円を深い皿に入れてもらってくる。店頭に店員がいる訳でもなく、無くなれば終わり。小振りではあるがこれが旨い。生姜に醤油とご飯で満足できる。冷酒の肴に夏場には安価で、少し炙ればよいので、冷やっこの代用には充分である。

 

         

 

 

◆「鳶に油揚」寺田寅彦随筆集より

 

諺に「鳶に油揚げをさらわれる」がある。科学者、寺田寅彦随筆集に「とんびと油揚」を取り上げている。

引用しますととんびに油揚をさらわれるということが、実際にあるかどうか確証を知らないが、しかしこの鳥が高空から地上の鼠の死骸等を発見してまっしぐらに飛び降りるというのは事実らしい。

 

                         (中略)

 

 これからは科学者の随筆らしく科学の目で書かれている。ダーウィンの実験にも及んでいる。

 

インドの禿鷹の研究した人の結果によると、この鳥が上空を滑翔するのは,晴天の日地面がようやく熱せられて上昇渦流の始まる時刻から、午後その気流がやむ間だということである。

この上昇気流の速度の最大の所がちょうど地面にあるものの香気、臭気を最も濃厚に含んでいるところに相当するのである。飛んでいるうちに突然強い腐臭に遭遇したとすれば、そこから直ちにダイヴィングを始めて、その臭気の流れを取り外さないようにその同じ流線束をどこまでも追及さえすればいつかは必ず臭気の発源地に到達することが確実であって、もしそれができるならば視覚などはなくても良いわけである。

 

鳶の嗅覚が或いはその代用となる感官の存在を仮定しさえすればすべての問題はかなり明白に解決するが、この仮定が許されないとすれば、全てが神秘の霧に包まれてしまうような気がする。

 

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米国(鳶)と日本(油揚)」の図式

 

米国と日本の関係図式はまさに鳶と油揚の関係であります。コツコツと努力し国益を得ながら、世界第二位の経済大国ともてはやされた日本を、米国国債を買いなさい、金融、保険、自動車の市場開放しなさいと小泉改革で油に突っ込まれて、郵政民営化でたっぷり味付けをして、今度はTPPという醤油と生姜で箸をつけようとしている世界の警察官。この図式は変わらないのだろうか。

 

 

 

2012年6月1日

NPO法人  I  Love加賀ネット

事務局長 東川 敏夫